奥多摩へ川井駅~赤杭山~川苔山~本仁田山~奥多摩駅というルートで冬の登山に行ってきました。
ひたすら登りが続く赤杭尾根はなかなかタフなコースでしたが、人も少なく静かな雰囲気が良かったです。雪もほんのり残って、山頂からは雲取山や富士山なども綺麗に見えました。
本仁田山の下りも急登で最後まで体力削られましたが、ずっと歩いてみたかったコースを無事に歩けて満足です。

2026年2月14日【奥多摩】川苔山~本仁田山(赤杭尾根ルート)
2週連続で丹沢が続いたということで、今週は奥多摩。
奥多摩の有名どころの山はだいぶ登っていますが、歩いてみたいコースというのはまだ結構残っていて、その1つが今回の赤杭(あかぐな)尾根。
川苔山へアプローチするルートの1つで、最大の魅力は駅から直接登れるところ。かつ人も少なくて静かな雰囲気が楽しめるということで、以前から隙あらば登ってみたいと思ってました。
今回の趣旨は展望よりも歩きたいコースを歩く、ただそれだけ。

電車に乗ってやってきたのは川井駅。1つ先の古里駅からも登れますが、自分はこちらをスタート地点にしました。
まだ陽が昇って間もない朝の7時。誰もいない駅のベンチで出発の準備を整えます。

7時過ぎに登山開始。
川井駅から赤杭尾根を経ての川苔山まで、距離8km近くの長丁場なので気合い入れていきます。
登山口まではしばしの舗装路歩き。

こちらの分岐を折れて左の坂を登って行きます。
多少は他にも登山者がいるだろうと思ってましたが、同タイミングで登っている人は誰もいませんでした。
最初の登山者と出会ったのは、だいぶ登った赤杭山手前あたりでのこと。

2月ということで登山口に行くまでの道ではロウバイが綺麗に咲いていました。2週間前の丹沢・寄ロウバイ園が思い出されます。
時期的にロウバイはもう終盤ですが、これから3月にかけては梅の花が最盛期を迎えるシーズン。
今年もどこかしらの梅林ハイキングに繰り出したい。

しばらく道なりに歩いて、こちらの階段が登山口。
標識に従って登って行くとすぐに登山道に入って行けます。
川井駅から登山口までは10分程度でした。駅から近いっていいですね。

ただ、登山道に入っていきなり急登から始まるのでご注意を。
ロープが垂らされていて、これを頼らないとキツイ程の傾斜がしばらく続きます。

いきなりやってくれるじゃないか赤杭尾根。
尾根に出るといったん傾斜が緩やかになりますが、すぐにまた登りになるので油断は禁物です。

しばらく登ると、本日最初のピークである金平山に到着。
展望は特にないのでそのまま通過しました。この先、赤杭尾根にはいくつものピークがありますが、眺めの良い山頂というのは実はあまりありません。
川苔山までの静かでタフな道のりを味わうのがこの尾根の嗜み方。

引き続き尾根伝いに登って行きますが、たまに尾根から外れた巻道が正規ルートになっている箇所があります。
上の写真で言うと右の脇道が本来のルート。ただ、そんなのお構いなしに尾根伝いに直進して行くと、いくつか山頂を経由していくことができます。

そんなわけで尾根道を直進。
そして目の前に現れたのは見上げるほどの急登。これが結構長くて、本日最初のヤバめポイントでした。
地図上だとバリエーションルートのような扱いになっていますが歩いている人は多いようで、つづら折りに踏み跡があったのでそれに沿って登って行きます。


登り切った先にあったのがズマド山というピーク。
山頂には標識がちゃんと用意されていました。
少しショックだったのが標高690mという数字。体感的にはもっと登ってきたつもりなのに、まだまだ全然低い。

序盤の序盤で体力が削られていく赤杭尾根。なかなか手強いじゃないか。
正規ルートであればズマド山を避けて通れるのでもう少し楽なんでしょうが、初見のピークは登っておきたい性なので仕方ない。
ズマド山から一度緩やかに下って次なるピークを目指します。


その先にあったのがズマド山北峰。
ここの登りは距離短めで大したことなかったです。

その後、正規ルートと合流して、さらにその先で古里駅からのルートとも合流。
道は少しばかり平坦になりますがそれも長くは続かない。

再び尾根ルートとの分岐に到着。正規ルートは右ですが、左に入って行けばその先にピークがあるということで左へ突撃。
ここまで来たら山頂という山頂は全部回収させていただくぞ。


その先にあったのが三ノ戸山。
ここの登りは比較的短く、反対側へ下って行けばすぐに正規ルートの巻道と合流できます。

標高900mあたりまで来ると足元には雪がチラホラ出てきました。
これは1週間前に都心部でも降った雪の残り。アイゼン履くほどではなかったですが、川苔山山頂あたりは思っていたよりも雪が残っていました。
そして、ここら辺でようやく本日一人目の登山者とすれ違い。

朝の9時頃に赤杭山(あかぐなやま)に到着。山頂の標識は赤久奈山と表記されていました。
この尾根の名前にもなっているから主峰という扱いで良いのでしょうか。
残念ながら展望はそこまでなかったですが、山頂は広かったのでここでしばしの朝食休憩。

ここら辺が川苔山までのちょうど中間地点というところ。体感的には「まだ半分か……」という感じ。
少しばかりの平坦なトレイルが気休めポイントです。

少し先へ行くと桃ノ木平北峰という山頂に到着。
展望は特になく、標識がなければピークというのも気づかないような場所でした。
桃ノ木平北峰となっていますが、じゃあ桃ノ木平はどこだったのか、それは誰にもわからない。

本日何度目かの「尾根道 or 巻道」の分岐点。
もう迷うことなく中央の尾根道へ入って行きます。右の巻道は日陰斜面になるので、結構雪が残ってそうでした。

そして、本日最もきつかったのがこの登り。
急登も急登で、しかもこれがかなり長い。なかなか終わりが見えず、途中から愚痴ばっかり言ってました。赤杭尾根、頭おかしいわと。
巻道とは結局上で合流するので、ここは巻道を行ってもかなり辛い箇所だと思います。
足元にほとんど雪がなかったのだけが幸いでした。

ヒィヒィ半泣きになりながら登り切ったところがエビ小屋山。
ここも山頂はそれなりに広くて、ここまで来てようやく樹々の合間から富士山が見えるようになってきます。
あまりにきつかったので、ここでも小休止。

再び正規ルートと合流して1本道をひたすら直進していきます。
下山後のデータを見て気づきましたが、この日の高低差は1800m弱。この前の丹沢・大倉尾根(バカ尾根)とほぼ同じという結果で、なるほど奥多摩のバカ尾根は赤杭尾根だったかと一人結論付けました。

そんな歩いている途中で心臓止まるかと思ったのがこれ。
何のことはない、誰かが落としたパーカーがつるされていただけですが、突然視界に入ってきたときには誰かが逆さ吊りにされているのかと思ってビックリしました。
色々と仕掛けてきやがる赤杭尾根……。足元ばかり見て歩いていた不覚を取られたぜ。

標高1200mあたりまで来ると急登と呼べるようなところもだいぶ減ってきます。
全体を通して危険個所は少なく、道も明瞭で迷うようなところもないのが赤杭尾根。このコースはひたすら体力勝負と思って良いかと。


次なるピーク、真名井沢ノ峰に到着。
山頂が登山道から少し外れたところにあるので、GPSを見ないと気付かずに通り過ぎてしまうかもしれません。
この日は雪もあったので余計にわかりづらかったです。

いよいよ山頂まであと少し。この坂を登れば登りらしい登りも終わりになります。
ここで本日二人目の登山者とすれ違い。
川苔山には過去に5、6回ほど登っていますが、ここまで人と会わない行程というのも珍しかったです。さすが、静けさがウリの赤杭尾根。

登り切った先が曲ヶ谷北峰。ただの分岐点に見えますが、ここも一応山頂です。
そして奥に見えるのが川苔山。
長かった赤杭尾根も、ようやく終わる。

人気の川乗橋からの百尋ノ滝ルートとも合流して山頂までのビクトリーロードへ。
レッドカーペットならぬホワイトカーペットの如く、雪が道しるべのように山頂まで続いていました。

こうして川苔山の山頂に到着。
直近だと5年前の蕎麦粒山からのシロヤシオ縦走以来。まだ朝の10時半ということで、山頂は先客6名ほどで空いていました。

山頂からの展望。
中央奥に見えているのが雲取山、左に見えているのは七ッ石山~鷹ノ巣山へと続く稜線か。
あちらはまだ山肌が白く見えるあたり、雪が結構残ってそう。

山頂からは一応、富士山も樹々の合間から見えました。
あれ、川苔山って富士山方面が綺麗に開けているわけではなかったか……。すっかり忘れてた。
富士山が綺麗に見えたのは、この後登ることになった本仁田山の方でした。

山頂でしばし休憩。
日当たりの良い場所はだいぶ雪が溶けていましたが、日陰部分はまだそれなりに雪が残っていたので、この時期は軽アイゼンは持ってきた方が安心です。

下山路は本仁田山に向かうべく、歩いてきた道を少しだけ戻ります。
日中になって気温も上昇。この日は下界も15℃近くまで上がったそうで、明け方は凍っていた雪もベチャついてきました。

下山は鳩ノ巣駅方面の道へ。
川苔山登山で有名なのが落差40mを誇る「百尋ノ滝」ですが、今回はそちらには行きません。川苔山に登って初めてスルーする形になりますが、今回はいまだ未踏だった本仁田山を優先します。

幸いだったのが下山路は下りが南側斜面になるので、雪がほとんど残っていなかったところ。
登っているときには「下りはアイゼン必要かもな」と思ってましたが、結局使わずに済みました。

しばらく歩いたところにあるこちらのベンチが分岐点。
鳩ノ巣駅は左ですが、本仁田山に向かう場合はここを直進して登って行きます。
この先は鋸尾根と名付けられたアップダウン多めのルート。途中、要注意の岩場ポイントもあるので気を引き締めて行きましょう。

ぐにゃりと折れかけた大木のアーチ、これが鋸尾根の入り口ですかね。
危険な感じを匂わせて来るぜ。

初めて歩く鋸尾根コース。この先、鋸尾根Ⅰ峰、Ⅱ峰……と続いていくのですが、Ⅱ峰まではごく普通のアップダウンという感じでした。
登りが北側斜面になるので雪が残っていましたが、それを抜きにすれば特に危険個所はなかったです。

山頂の標識が見つけられたのはⅢ峰まで来てから。小さい板がつるされていました。
Ⅰ峰、Ⅱ峰では見つけられなかったですが、もしかしたらこのような年季の入った標識がどこかにあったのかもしれません。


Ⅲ峰から先が要注意ポイントで、鋸尾根という名前らしくしっかりとした岩場が出てきます。
岩場ちんちくりんの自分は、伝家の宝刀・四点確保(=動けない)を織り交ぜながらゆっくり下りました。
ここら辺も雪が溶けてくれていたのが幸い。

やや危険とされている鋸尾根でもすれ違う人はチラホラいます。
さすがは人気の川苔山。皆さん、色々なルートから登りに来てますな。

少しわかりづらいですが鋸尾根のピークはこんな感じで、左隅に見えているのが登山道でその脇にある小高いところが山頂になっています。
この写真も鋸尾根Ⅳ峰を撮ったもの。

標識が見つけられずに立ち去ろうとしたところで、地面に落ちているⅣ峰と記された板を発見。
このⅣ峰でナンバリングされたピークは終わりですが、この後も要注意ポイントは続きます。

厄介だったのがこの落葉と岩がミックスした急斜面。
ベースとなる土も滑りやすくて、結構神経使いました。
こういう急登は力まずにはいられない。そしてそれが後々の激しい筋肉痛をもたらす……

その後、鳩ノ巣駅へエスケープするルートもありますが、本仁田山を目指すべく尾根ルートを直進して行きます。
ここら辺は別にバリエーションルートというわけではないので、分岐にはしっかりと標識が用意されています。

一応、川苔山から下山している形ですが、本仁田山までは標高は大して下がらずアップダウンの繰り返し。
下山時の登り返しはいつだって応えるもの。山頂で休憩したことで「あぁ、今日はもう終わりか」と気を緩めつつある太もも君に活を入れて登って行きます。

なかなかの急登を登った先が瘤高山(こぶたかやま)。
標識には鳩ノ巣駅方面が記されていますが、もう1つ本仁田山へ向かうルートも用意されているのでそちらに入って行きます。

瘤高山の先でも登り返しがあってだいぶ疲れてますが、本日最後のピークまであと少し。
登りがひと段落して緩やかな尾根に入ったら間もなく山頂です。


こうして12時40分に本仁田山に到着。
駅から直接登れるアプローチの良さから奥多摩でも人気の山の1つ。ちょうどお昼時とあって、山頂では多くの人が休憩していました。
これまであまり縁がなく、実は初登頂の本仁田山。ようやく登ってこれました。

山頂からは富士山が綺麗に見渡せて、眺めも良き山頂。
富士山の展望に関しては川苔山よりも上ですね。
山頂は人が多くて休憩スペースもあまりなかったので、そそくさと退散しました。

ここからは奥多摩駅に向かってひたすら下山。
登りは一切ないですが、この下りもかなり辛かったです。
落ち葉や岩、砂利がミックスされた急登がずっと続いて、テンポよく下れるところが全然なかった。

この砂地とかも滑りやすくて神経使いました。
本仁田山、奥多摩の入門的な山として紹介されていることもありますが、いやいや、これはかなりきついでしょう。初心者を連れてきたら、登山を嫌いになってしまいそうな急登続き。
帰って調べてみたら、ここ大休場尾根(おおやすんばおね)は奥多摩三大急登の1つだったそうで。
全然知らなかった。


完全に舐めていた本仁田山。
膝がガクガクになりながら登山口に近づくと、乳房観音なるものが祀られていたので立ち寄っておきました。
気になる観音様でしたが肝心の説明書きの標識が朽ちていたので、その実態はよく分かりません。あたりを見回しても乳房を彷彿とさせるものはなかったぞ、どうなってる。

こうして登山口に下山完了。
後は舗装路を左へ下って行くだけですが、奥多摩駅まではまだ2km以上あるので気長に歩いていきましょう。


駅も近づいてきたところで見えてきたのが、奥多摩工業の氷川工場。
廃墟感を醸し出す巨大プラント。実際は現役稼働していて、無骨な作業音と相まってすごい迫力でした。こういうの、とても好きです。
長らく奥多摩には登りに来ているのに、この工場の存在を知らなかったとは不覚よ。

最後に良いもの見れて奥多摩駅に到着。
本日の長い縦走登山が無事に終わりました。

今回の目的は川苔山ではなく、前半の赤杭尾根を歩くことにありましたが、なかなかタフな行程でした。
展望もそこまでないので、冬枯れの時期かもしくは紅葉シーズンが登るのに適していそうです。
未踏だった本仁田山にも登れて、自分の中では満足度の高い山歩きができた1日でした。
おしまい。
【日程】
2026年2月14日
【コースタイム】
7:10 川井駅
8:00 ズマド山
8:50 赤杭山
9:40 エビ小屋山
10:30 川苔山
12:40 本仁田山
14:30 奥多摩駅

コメント